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  • rimoyumi

愛を伝えよう!

先日、10年来の友人が他界しました。

彼女の名前は「ちはる」、千に春と書きます。花々が美しく咲き誇る春に生まれた彼女、きっとご両親が幾千にも春が訪れるような幸せな人生を歩んで欲しいと願い名付けたのだと思います。

朝、いつものように旦那さんにお弁当を作り、「行ってらっしゃい、気をつけてね」と笑顔で見送り、旦那さんが夕方帰宅した時には部屋で倒れていたそうです。救急車で病院に運ばれましたが、残念ながら天国に旅立ちました。いつも元気で持病もなかったので、本人もご家族にとっても本当に突然のことでした。

告別式は嫁ぎ先の奈良で行われ、彼女に会いに行ってきました。訃報を受けてから彼女の顔を見るまで半信半疑で、とても綺麗な顔をして眠る彼女を見てもまだ信じられませんでした。伝えられた言葉は、「ありがとう、ありがとう、ありがとう」しかありませんでした。

5年前のお盆休み、その頃、私は精神的にかなり落ち込んでいて、気分転換に彼女に会いに奈良に行きました。ちょうど今日のように日差しがじりじりと照りつけ、耳が痛いほどの蝉の鳴き声を聞きながら、嫁いだばかりで自身も良く分からない奈良を一生懸命に案内してくれました。彼女の優しさにとても心救われた時間でした。

そして、今から3か月前の4月、「名古屋に帰省するからランチしよう」、と彼女から連絡があり、奈良で会ってから5年ぶりに再会しました。偶然にもその日は彼女の誕生日。同い年の私たちは、アラフォーになったね~、どうしよ~、やばいね~!なんて言いながら楽しくランチしました。そして、彼女は名古屋でしていたフラワーアレンジメントの仕事を奈良で再開したいと話してくれました。「いいね~、奈良と名古屋でお互いにがんばろう!!」と話したのがとても心に残っています。

告別式が終わって、名古屋までの帰りのバスまで時間があったのですが、考えるのは彼女のことばかり。知らず知らずに5年前に彼女が連れて行ってくれた興福寺の猿沢池のほとりに座っていました。遠い夏の日、同じ場所で過ごした彼女との思い出を想い、地球上をくまなく探しても彼女のあの笑顔にはもう会えないんだな、、、と思うと、夕涼みをする周りの人たちを気にすることなく、堰を切ったように声をあげて泣いてしまいました。

数時間経って夕日が傾いてきたころ、4月に最後に会った時に彼女が言ってくれた言葉を思い出しました。「BASEYがんばってね!応援してるからね。私も奈良でがんばるから!」。彼女が生きたかった分もがんばろう、彼女が生きた37年間、たくさんの人に届けてくれた春のような優しさや笑顔。千の春のように私もたくさんの人に笑顔を届けよう、そう生きれるように毎日を大切にしよう。そして、いつこの世にお別れしなくてはいけない日がきても後悔しないように、大好きな家族や友人を大切にして、愛する人に愛を伝えようと思いました。

私はたくさんの人たちの道しるべに導かれ生きています。その感謝の想いをBASEYという名の下でこれからも表現していきたいと思っています。「BASEYをがんばろう」、そう思い持っていたアフガニスタンの女性と作る手刺繍ストールをぎゅっと握りしめて名古屋に戻りました。

千春ちゃん、空から見守っていてね。私、がんばるからね!

吉井 由美子

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