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目には目を、歯には歯を

August 29, 2014

 

埼玉県で7月、全盲の男性が連れていた盲導犬オスカーが、何者かにフォークのような凶器で刺されて怪我をした事件。様々なニュースで取り上げられていたのでご存知の方も多いと思います。

 

全盲の男性が自宅から電車に乗り職場に到着後、同僚がオスカーの着ているシャツが血に染まっていることでケガに気付いたそうです。先端が鋭く尖ったもので腰の辺りを4箇所も刺され深さは約2cmにも達していたという。盲導犬はパートナーに危険を伝えるなど以外は鳴かないように訓練されていて、オスカーは忠実にその教えを守り鳴き声をあげず痛みをこらえ、男性は同僚に指摘されるまで全く気付かなかったそうです。

 

このニュースを知った時に、痛みを我慢し盲導犬としての使命を全うするオスカーの姿に涙が出ると同時に、「目には目を、歯には歯を」という言葉が浮かびました。犯人に同じ、いいえ、それ以上の痛みを味あわせてやりたいと強く思いました。喉の奥がぐっと苦しくなるくらい許せない気持ちです。

 

BASEYと一緒に点字用紙を活用してレターセットや紙袋を制作している視覚障がい者施設のパートナーに、盲導犬のユーザーあきさんという女性がいます。盲導犬の名前はスイフト、女の子のラブラドルレトリバーです。毎月施設を訪問するたびにスイフトがしっぽブンブンで私を迎えてくれます。あきさんが作業中は、スイフトはあきさんの足元で静かに待機しています。ハーネスを付けている間はスイフトにとって仕事の時間、待機の時間も仕事の時間です。時々我慢できずに撫でて~という顔で見つめてきますが、仕事中の盲導犬は触れてはいけないので私もぐっと我慢します。時々スイフトは我慢できずに、匍匐前進で少しずつ少しずつ私に近づいてきますが、首についている鈴がチリンチリンと鳴って、あきさんに気付かれてスイフトは“スイフト、ノー”とお叱りを受けます。時々、ハーネスが外されていることがあるので、その時にあきさんに許可をいただきスイフトを撫でさせてもらいます。顎の下や頭、全身をワシャワシャするととっても喜んで本当に嬉しそうにもっと構って~、もっと撫でて~、もっと遊んで~と甘えてきます。

 

先週メンバーさんに会いに行った時、帰宅するあきさんとスイフトをエントランスで見送りました。あきさんに許可をいただき、少しだけスイフトの頭をなでさせてもらいました。シッポブンブンで、スイフトもとても嬉しそうでした。そしてあきさんの「よし、帰ろう、スイフト」の言葉でもう一度盲導犬としてのプロの顔に戻るスイフト。数歩歩き始めた後、一度スイフトが振り返り私を見ました。その眼は可愛さと優しさで満ちていて、「また来月会おうね!」と言っているようでした。寄り添い歩き出すあきさんとスイフトの小さくなる後姿を見ながら心から願いました。あのような事件が二度と絶対に起こらないようにと。そして、私は犯人に対して「目には目を、歯には歯を」という報復を願うのではなく、BASEYとしてできることを粛々と行い、メンバーさんやスイフトと楽しく笑顔で活動させてもらえることに感謝して、オスカーやスイフトのように私は私の使命を全うしてこれからも一緒に進んでいこうと思いました。

 

吉井 由美子

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